昨年の夏、夫が膵臓癌と診断されてから3か月目に他界しました。
夫婦のどちらが先に逝くのか?その時はどうしよう・・・なんて、
シニアなら誰もが心配しつつ、実は不毛のテーマですよね。
今回の私の体験をまとめてみようと思います。
結果として、家族葬が高齢の遠方の親族を集めての和やかな会になれたのですが、
それを意図したわけではないのですが、やはりそれには準備がありました。
この記事はシニア夫婦の介護や看取りについて、
漠然と不安を抱えている方々の参考になるとありがたいです。
1・家族親戚には病人や介護状況を共有する
家族葬に至る前の段階では、家族はもちろんのこと、
遠方の兄弟にも情報を共有して、
飛行機に乗って見舞いに行かないと状況がわからないという状態だけは避けました。
やはりそれぞれ遠方に住み、高齢だし、おまけに家族に病人を抱えていたりするので、
見舞いに来たくても簡単に来れないのです。
それにしても今回は事前に子供や、友人知人の経験談や介護情報集めがあったから、
本当に助けられました。
この情報網が無かったら私はアウトでした!
2・介護を始める前の情報集めが大事
介護状況を親族と共有するには、まず病人が良い環境にいることを伝えたいですよね!
でも、私が20年前に取ったヘルパー2級の資格や、
短期間ですが、老人介護施設で働いた経験があっても、それは大昔の話です。
介護保険もシステムもない時代の話です。
今はどうなっているんだろうと全然わかりませんでした。
一番参考になったのは、風呂友の情報でした。
旦那さんを膵臓癌で亡くし、最後まで自宅介護をされた方の話でした。
そこで今の情報を集めることから始めました。
- 同じ病気で家族を亡くした方の貴重な経験談が聞く。
- 住んでいる地域の介護関係の情報に詳しい人を探す。または紹介してもらう。
- 老人介護の知識を本や動画、講習会、ネットなどで事前に勉強する。
- 評判の良い介護事務所やケアマネさんを探す。口コミ重視。
- 病院はどこにするのか?自宅介護をするのか?施設に頼むのか?を考えておく。
- 病院の情報も経験者に教えてもらう。
上のリストは1つずつの内容が長くなってしまうので、
詳細は後日テーマを絞って、別記事を書きます。
3・良い環境での介護を目指す
知人や友人の皆さんの協力の元に、十分に情報を得ることができた私は、
自宅に帰りたくて鬱っぽくなった夫を、病院から無理やり退院させて、
自宅介護を始めることができました。
今の介護システムは素晴らしいですね。昔とは大違いです。
ただし診断結果が出た時点で、すぐ介護認定を申し込むようにと、医師から指示がありました。
認定結果が出るには1か月が必要だそうです。この時点で亡くなる前の3か月前です。
しかし、おかげで素晴らしい知人や友人、介護スタッフの皆さんのお世話になることが出来ました。
夫もとても喜んでくれたと思います。
自宅介護には今の介護システムの恩恵がありました
- 病院より自宅で介護した方が安くつく。
(末期で積極的治療をしない場合には1泊35000円なんて個室に入れられます。一般病室は×) - コロナ禍で、1日の面会時間が15分。また人数の制限などがあり、病人が孤独になる。
- 口コミで知った介護事務所に連絡。自宅にて夫も一緒に今後の方針を説明してもらう。
- 訪問診療の先生や、訪問看護の皆さんを紹介してもらう。
- ケアマネさんの紹介で、介護保険を使い、今後必要になる介護ベッドや、
ポータブルトイレ、手すりなどを連携して手配してもらう。 - 自宅で看取りをしない場合は、最後の病院を事前に手配しておき、医師の許可も頂く。
- 処方された薬を取りに行けない場合は、薬局の方が自宅に届けてくれる。(有料で1回500円くらい)
- 訪問入浴もあります。ベッドの横でお風呂に入れるのです。これも介護保険が使えます。
- 介護タクシーも頼めます。寝たままや車いすのままでも助けてくれます。
- 介護者が疲れた時には、ショートステイなどの、短期間預かってくれる施設も多々あります。
- 家事に手が回らなくなったら、ヘルパーさんを頼めます。(ただし今はヘルパー不足)
上のリストはケアマネさんに相談すると全部手配をしてくれます。
どんどん相談されるといいと思います。
また介護の相談は訪問看護師の方に聞いてみてください。
お手本も見せてくれるので、私も教わって勉強しました。
5・介護状況の動画をラインで兄弟に送信
お見舞いに来れない兄弟は辛いですよね。
特に病人が病気を隠したがっている場合ですね。うちがそうでした。
絶対病気を伝えないというのです。
でも残された時間が短い場合は、伝えておかないと兄弟に悔いが残りかねないので、
こっそり皆にラインを始めてもらい、メールや動画で状況を知らせて情報を共有することにしたんです。
具合の悪さは日々一段と進み、それは本人が一番承知しているので、
もう隠せないなあ・・・と、本人も感じていたと思います。
それにしても最後まで痛みが出なかったのは幸いでした。
ラインのビデオ電話を活用
うつらうつらと寝てばかりになった夫に、
私はビデオ電話から、そろそろ兄弟にご挨拶をしようよと言いました。
すると、死にそうになってるのに「大丈夫だよ~」と妹や弟に言ってました。
お風呂に入れてもらって、スタッフに囲まれている写真とか、
娘夫婦にひげを剃ってもらってる動画とか、1日置きくらいで送信しました。
面会に来ているような気持ちになってくれたらいいなと思いました。
病状や具体的な先生からの説明はラインのメールで共有しました。
飲み込みが悪くなって自宅介護を断念
この時はあきらめました。
病気はともかく、自宅で窒息されても困るからです。
すでに自力で歩けなくなっていたので、介護タクシーを呼び、
両脇を抱えて車いすに移動して、病院に連れて行きました。
病院の先生には3か月前に最後はここで看取っていただけるようにお願いをして、
許可をいただいていました。
おかげで、個室にすぐ入院することが出来ました。
ここは一泊15000円でした。
順天堂長岡病院の個室は35000円だそうなので(風呂友が教えてくれた)
随分安くなって助かりました。
一番、つらかったのは夫で、面会時間が1日に15分しかなかったことです。
これはかわいそうでしたが、コロナゆえのことなので、我慢してもらうしかなかったのです。
他の病院によっては、いまだに全く面会の出来ない病棟もあるようで、致し方ないですよね。
最後の3日間は私が日中で、夜間は娘と交代して病室で一緒に過ごすことが出来ました。
家族葬が人気すぎて・・・葬祭場所を変更
家族葬は誰も泣かない和やかな親戚と家族の集まりになりました。
喪主の私が泣かないので、誰も泣けないのかも(内緒)。
でも日々の情報共通で、いつもみんなで見守っていた感があって、
出来ることはしたのだから・・と、思ってくれたのではないかと思います。
コロナが原因なのか、世の中の高齢化がもたらしたのか?
それは両方なのでしょうか? 一般の通夜・告別式・ふるまい等、
今までのこうした流れは一挙に省略されるのが一般的になっています。
よほどの交友関係が大きい方以外は、親族のみで見送り、
事後報告で広告を出すという方が、本当に多いです。今ならOKですね。
時代に後押しされました。
コロナが原因で簡略できたことは、少なからず助かった方も多いと思います。
我が家に関しては、地域にお知り合いもあまりいないので、公表もしませんでした。
また、別荘地なので自宅での通夜・葬儀は遠慮しました。
結果、葬儀場で親族のみでお通夜。見守るだけにして、告別式でお経をあげていただいて、
斎場へ移動。皆さん、飛行機で帰るので慌ただしく、その場で解散となりました。
家族葬全盛時代?? そう思うほど、家族葬用の会場が取れなくて、しかも一番高いのだそうです。
ええ・・・?? 商売だからしょうがないなあ・・・。
一番大きなスペースのある葬儀場の方が安くて・・(笑)。
ここがお薦めですと言われ、少人数なのに大きなの中で執り行われることになりました。
お墓は樹木葬にして入院中に購入
実は田舎に夫の代々のお墓があるのですが、
今回は大胆にも地元に購入しました。
昔風に言うなら、私も夫もそこに入るのが筋なのでしょう。
でもお墓参りに飛行機で行かないといけないのです。
一人娘にどれだけ負担をかけるのか?? 絶対できません。
それに母の遺骨を都会のお寺に預けたままなのもずっと気になっていました。
そこで、母と私達夫婦を一緒に納められるところを探しました。
驚いたのは、連れて行った妹がそこを気に入って、隣のお墓を買ったことです。
珍事にして大ヒット!これでずっと一緒。大満足でした。
お墓の問題は30代からの大きな悩みだった
70代になった私は、あと何年生きれるのか?そんな年代になったからこそ、
ようやく結論が出せたのかなあ?と思っています。
終わり良ければすべて良し
もう迷うことなく、これからは自分の為だけに楽しく生きていこうと思います。
結論
家族が病気になったら、今の介護システムを大いに利用しましょう。
- まず周りの経験者などから情報を聞く。口コミは一番大事です。
- お薦めの介護事務所に電話してケアマネを紹介してもらう。
- 不安なことや、これからのことなどは事前にメモして、ケアマネに相談をしましょう。
- 訪問看護師の方が来てくれるようになったら、看護のやり方や、おむつの替え方など、
なんでも相談できるし、教えてもらえます。 - 入院している場合に、先が短いのなら、この間にできる限りの準備を整えるのも方法です。
- 告別式の後の1週間はいろいろな手続きがあってすごく大変です。ぼーっとしている暇はないです。
- 私は現金をすべて私の通帳に移しました。夫が生きてればこそ移せます。
- 光熱費や、引き落とし関係をまとめておく必要があります。
- あと三か月の猶予があるなら、支払いの口座を自分名義の通帳を変えておくと後が楽です。
- 夫が生きている間に、通帳のほとんどを解約してもらっておくと、後ですごく助かります。
- 夫名義のクレジット支払いは無くしておく。
- 手持ちの通帳で、ネットで送金できるようにしておくと助かります。
- 不動産の相続登記は自分でしたのですが、(8万くらいの節約)
やり方はすべてネットで調べました。 - 自宅に未登記の増築などあるなら、すぐ登記しておいた方が良いです。
お金に関しての結論が多くなったのですが、
それに関してはまた後日詳しく書きたいと思います。
実は夫が他界してからの3か月というものは、本当に支払い関係に忙殺されました。
介護関係の支払いも夫の名義の通帳からにしていたので、あとで本当に困りました。
長すぎて結論とは言えないですね。ごめんなさい。
ここまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました。